■ 国の子育て施策を理解できる
■ 子育てに関する給付金や税制の仕組が分かる
■ 教育費を貯めるコツが掴める
国の子育て政策
国の子育て政策の経緯を遡って見てみると、2023年12月に総額3.6兆円程度のこども・子育て支援強化策を盛り込んだ「こども未来戦略」が決定されました。こども家庭庁によると、「こども未来戦略」では、
・若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もがこどもを持ち、安心して子育てができる社会
・こどもたちが、いかなる環境、家庭状況にあっても分け隔てなく大切にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会
を目指しており、さらに「こども・子育て支援加速化プラン」に具体的な政策を位置付け、各種政策を進めているところです。
いぶりんママ今日は覚えておいてほしい代表的な制度を簡単に解説していくね
多子世帯の学生等に対して大学等の授業料無償化
① 開始時期は?
② 支援対象とは?
③ 支援金額は?
④ 対象の学校は?
⑤ 申請方法は?
2025年度から多子世帯の学生等について、所得制限なく、大学等の授業料・入学金を国が定める一定額まで無償化とする制度がスタートしました。
これは、元々2020年4月にスタートした国の「高等教育の修学支援新制度」のことで、経済的な理由で進学を断念する学生をなくし、教育機会の公平性を確保するために当時創設されました。しかし、当時は世帯年収が380万円程度までの世帯が主な対象となっているなど、所得制限があったため、全ての学生が利用できるわけではありませんでした。
その後、2024年度には対象となる世帯の範囲が拡大されましたが、今回、さらに対象が広がり、多子世帯の所得制限が撤廃され、世帯年収に関わらず大学等の授業料等の無償化制度を利用できるようになりました。
① 開始時期は?
前述したとおり、元々国が実施する「高等教育の修学支援新制度」が2020年度からスタートしていますが、今回説明する「多子世帯の大学等の授業料等の無償化」は2025年度から新たにスタートしています。具体的には、2025年4月1日から始まっており、2025年4月に入学する方、2025年4月時点で前年度から在学中の方のいずれも対象となります。



元々の制度を拡充して、2025年4月1日からスタートしたんだね!
② 支援対象は?
支援対象は「多子世帯」で、具体的には「扶養する子どもが3人以上の世帯」です。ここで言う「扶養」とは、家族や親族から経済的な支援を受けることであり、自治体へ納税する際に扶養する人数としてカウントされている人を指しています。


なお、子どもの数の情報は毎年12月31日時点の「税法上の扶養」が基準となることから、申し込む時期によって情報の確認時期が異なる場合があることに注意が必要です。例えば、2026年4月に大学へ進学し、申請手続きを行う場合は、2024年12月31日時点の情報により扶養する子どもの数で確認が行われます。



我が家の場合は子ども2人が扶養になっているよ!



大学院生は本制度の対象外となるので注意してね!
③ 支援金額は?
支援金額は国で決まっていて、以下表のとおりです。国公立・私立別に「大学」「短期大学」「高等専門学校」「専門学校」の4区分で分かれています。これは授業料は各大学等によって様々であるため、制度設計上、授業料の平均額を考慮して、国として一定の支援上限額を定めているからです。
また、これは各学校の授業料等が減額されるものであって、学生本人に直接現金が支給されるものではありません。


例えば、国公立大学の場合は、入学金の28万円と授業料54万円/年が支給されるので、4年間で最大244万円支給されることになります。同様に私立大学の場合は、入学金の26万円と授業料70万円/年が支給されるので4年間で最大306万円支給されることになります。



無償化と言いつつも一定額の支援という点がポイントだね!
④ 対象の学校は?
一定の要件を満たすことが確認された大学、短期大学、高等専門学校、専門学校となっています。対象となる大学は文部科学省のHP「高等教育の修学支援新制度の対象機関(確認大学等)」に掲載されていますのでご確認ください。https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/1420041.htm



一覧になっているので確認しやすいのね!私が通っていた国立大学も入っているわ!
⑤ 申請手続きは?
申請手続きは、高校3年生の段階で申し込む「予約採用」と、大学等へ進学後に申し込む「在学採用」の2種類があります。ただし、2025年度は、制度開始年度に当たるので「在学採用」のみの申し込みとなっています。
具体的な申込方法は、学校の学生窓口(奨学金担当窓口)で申込書類を受け取り、学校を通じて日本学生支援機構へ手続きを行います。申込の際は学生本人と生計維持者のマイナンバーが必要になりますのでご注意ください。申込が完了したあとは、各学校を通じて選考結果通知を受け取ります。事前に大学等のHPで確認しておくのがオススメです。



扶養している子どもの確認がマイナンバーで行われるんだね
妊婦のための支援給付金
① 支援対象及び支援金額は?
② 申請方法は?
③ 伴走支援とセット
① 支援対象及び支援金額は?
妊娠期からの切れ目のない支援を行う観点から、妊婦のための支援給付制度が創設されました。具体的には、子ども・子育て支援法に「妊婦のための支援給付」が位置付けられ、令和7年4月1日に施行されました。
制度内容としては、妊婦であることの認定後に市町村から5万円が支給され、その後、妊娠しているこどもの人数の届出を行った後に妊娠しているこどもの人数×5万円が支給されます。



つまり子ども1人の場合は計10万円貰えるってことね



条件なく支給されるのは大変ありがたいね!
② 申請方法は?
実施主体は市町村になりますので、お住いの市町村のHPから申請方法を確認してください。一般的には、必要事項を記載もしくは入力のうえ、紙の申請書もしくはオンラインによる申請で対応可能です。なお、妊娠が確認されてから2年以内など申請期限が設けられている場合がありますのでご注意ください。
③ 伴走支援とセット
本給付制度は伴走支援とセットですので、出産前はもちろん、出産後や育児期に子育てに関する情報提供や相談などを市町村(こども家庭センター)が実施してくれます。一過性の給付で終わるのではなく、妊婦の悩みや不安にしっかりと寄り添ってくれる制度設計となっています。



妊娠時は不安が多いので相談先が整備されるのはありがたいね
子育て世帯の住宅ローン控除
① 支援対象は?
② 減税内容は?
③ いつまで?
子育て世帯の住宅取得環境が厳しさを増していること等を踏まえ、子育て世帯が住宅を取得に際して所得税や住民税の控除額を拡充する特例措置が設けられています。
① 支援対象は?
対象は以下のとおりです。
・年齢19歳未満の扶養親族を有する者
・年齢40歳未満であって配偶者を有する者又は年齢40歳未満の配偶者を有する者
が住宅ローン減税の適用を受ける場合となります。
② 減税内容は?
子育て世帯が2025年度に新築住宅等に入居する場合に、「長期優良住宅・低炭素住宅」の場合5,000万円、「ZEH水準省エネ住宅」の場合4,500万円、「省エネ基準適合住宅」の場合4,000万円までそれぞれ借入限度額が引き上げられます。詳細は以下の国土交通省HPに掲載されている表をご確認ください。https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000206.html





毎年、与党税制改正調査会で議論され、年末の税制改正大綱で発表されるんだね
③ いつまで?
2025年度は前年度の措置が継続され、2025年度末まで延長となった一方で、2026年度以降は今のところ未定です。本制度は税制措置ですので、国の予算要求とは別の税制改正というスキームの中で決定されます。国土交通省の2026年度税制改正要望を見てみると、「2025年度末に適用期限を迎える住宅ローン減税、認定住宅の投資型減税や、新築住宅に係る固定資産税の減税措置等について、所要の措置を講じる」とありますので、何らかの措置が継続される可能性は高いでしょう。



我が家も住宅ローン減税の恩恵を毎年受けているよ



年末調整時に数十万単位で還付されるんだよ
子ども誰でも通園制度
① 制度内容は?
② 対象者は?
③ 利用方法は?
① 制度内容は?
全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルに関わらない形で支援を強化するため、月一定時間まで利用可能な枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園制度です。
2026年度から子ども・子育て支援法に基づく新たな給付として全国の自治体において本格実施される予定です。
② 対象者は?
保育所等に通っていない0歳6ヶ月から満3歳未満が対象となります。ただし、認可外保育所に通っている0歳6ヶ月から満3歳未満の子どもは対象となる一方で、企業主導型保育事業所に通っている0歳6ヶ月から満3歳未満の子どもは対象外となります。また、居住する市町村が対象者を認定します。





就労に関係なくってところが一番のポイントだね



多様な働き方の後押しとなる制度になりそうだね
③ 利用方法は?
月10時間の枠内で時間単位で柔軟に利用することが可能です。ただし、これは国の補助基準額上の上限として定められている時間であって、各市町村の判断において、国の補助対象となる「月10時間」を超えても誰でも通園制度を実施することは可能ですので、詳細は各市町村のHPをご確認ください。



月10時間が多いのか少ないのかは各家庭によりそうだね
育休手取り10割(出生後休業支援給付金)
① 制度内容は?
② 支給要件は?
③ 支給額は?
① 制度内容は?
共働き・共育てを推進するため、子の出生直後の一定期間に、両親とも14日以上の育児休業を取得した場合に、出生時育児休業給付金または育児休業給付金と併せて「出生後休業支援給付金」が最大28日間支給される、つまり、実質手取りの10割相当が支給される制度です。



元々は育休開始から180日までは賃金日額67%、181日以降は同50%の制度だったんだよ



そうだね、なので今回は支給額がかなり上がったってことになるね
② 支給要件は?
・被保険者が、対象期間に同一の子について、出生時育児休業給付金が支給される産後パパ育休または育児休業給付金が支給される育児休業を通算して14日以上取得したこと
・被保険者の配偶者が「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間に通算して14日以上の育児休業を取得したこと、または、この出生日の翌日において「配偶者の育児休業を要件としない場合」に該当していること


③ 支給額は?
支給額は、休業開始時賃金日額に休業期間の日数と13%を乗じた額となります。図で表すと以下のとおりです。出生児育児休業給付金または育児休業給付金と合わせて給付率80%(手取り)10割相当になる仕組みです。





額面ではなくて手取り10割なのはありがたいよね



いまは約1ヶ月だけだけど、今後期間が延びていくことを期待したいね!
まとめ
どうでしたか?今回は皆さんに最低限覚えてほしい子育て政策をまとめてみました。特にここ数年は制度が大きく変化していますので、知らない政策もあったのではないでしょうか。
国や地方自治体の子育て政策は知らないと活用できないものも少なからずありますので、自分たちから情報をキャッチするとともにしっかりと理解して申請や活用漏れがないようにしましょう。今後も国の子育て政策に注目したいですね。










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